日本の学校出身者初の学生アカデミー賞受賞者・金森慧氏と市長が特別対談を行いました(動画は随時公開予定)


ページ番号 1026135 更新日  令和7年4月1日


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東久留米市出身のCGアーティストで、第51回学生アカデミー賞アニメーション部門で日本の学校出身者として初の銀賞を受賞した金森慧氏に、受賞作品や東久留米市への思い、今後の展望などについてお話を伺いました。

撮影場所:竹林公園 

(広報ひがしくるめ令和7年4月1日号掲載内容)

対談の動画はこちら

対談の様子を全3回の動画でお届けします(動画は随時公開予定ですので、今しばらくお待ちください)。
動画限定で金森氏の作品制作秘話や、「東久留米市を折り紙で表現すると?」などのコンテンツをご覧いただけます。

#1 学生アカデミー賞受賞作品「Origami」のこだわりに迫る

#2 豊かな感性のみなもと 折り紙と東久留米の関わり

今後公開予定の内容

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※「東久留米市公式動画チャンネル(youtube)」で公開予定です。

対談者プロフィール

金森 慧(かなもり けい)

2001年11月生まれ、東久留米市出身のCGアーティスト。自由学園高等科、デジタルハリウッド大学卒業。
2024年10月に、制作したフルCGアニメーション作品「Origami」が第51回学生アカデミー賞アニメーション部門で日本初の銀賞を受賞。現在は海外での活躍を目指し渡航準備を進めつつ、国内でフリーのCG映像作家としても活動中。

金森氏のSNSはこちら

対談内容

学生アカデミー賞受賞について

市長

学生アカデミー賞銀賞受賞は日本の学校出身の方では初めてとのことで、おめでとうございます。今回の受賞はメディアなどでも取り上げられていますが、この賞に応募したきっかけは何でしたか?

金森氏

ありがとうございます。受賞作品の「Origami」は大学の卒業制作として作った作品なんですが、もともと僕が小学1年生の頃から洋画が好きで、いつか海外で映画に関わる仕事がしたいなとずっと思っていたので、海外で何かいいコンテストがないかと探していて。学生アカデミー賞が学生の映画の世界最高峰というのを知ったので、挑戦してみたいと思って応募しました。

市長

私も受賞作品を拝見しましたけれども、本当に息を呑むような美しい映像で。そもそも折り紙を題材にして作ろうというのは、思いがあったんですか?

金森氏

実は折り紙も小学1年生のころからずっと好きで、折り紙作家さんの本を読んで真似するところから始めて、小学校高学年くらいからは自分で折り方を考えたりもしていました。僕がCGに出会ったのは高校2年生の時なんですが、始めてみたら、折り紙もCGも数学的に立体的なものを作っていく感覚が似ていることに気づいて、はまっていったんです。「今まで僕が折り紙をやっていたのは、CGに出会うためだったのか!」って思うぐらい。
今回、大学の卒業制作っていう一つの節目となるタイミングで、自分の原点に返って、折り紙をテーマにしようと考えました。

市長

制作にはどれぐらいかかっているんですか?

金森氏

1年以上かかっています。大学4年生になったタイミングで制作を始めて、卒業制作として1月末に提出する必要があったので、1日7時間以上作業して大体9カ月くらいで一旦完成はさせたんですが。その後学生アカデミーに応募したかったので、卒業した後も手を加え続けて応募しました。

市長

すごく時間をかけて制作されたんですね。作品に込めた思いやメッセージはありますか?

金森氏

折り紙の特徴って、切ったり削ったりといった工程を経ず、元々ある形を変形させて作品にするところだと思うんです。どんなに複雑な折り紙の作品になっても、それを広げればまた元に戻る。そういうところが、土から生まれて土に還るという、命や自然と結び付けられないかと思って、メインの女性のキャラクターが周りにある紙に命を吹き込むような映像にしました。
日本文化をテーマに、昔から伝わっている折り方の折り紙をたくさん紹介する内容にしたいと思ったので、鶴や蛙など、皆さんが一度は折ったことがあるような折り紙がメインに出てくるようにしています。メインの女性のキャラクターに関しては、僕がデザインしました。

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東久留米の思い出

市長 

金森さんは東久留米市ご出身ということで、今日も竹林公園で撮影していますが、東久留米で育った環境の良さとか、「こういうところいいな」みたいなところ、ありますか?

金森氏

僕は初等部(小学校)から高等科(高校)まで自由学園に通っていたんですが、東京にいながら自由学園の自然豊かな環境で育ててもらったことで、感性が育まれたんじゃないかなと思います。

市長

市内ではどこか「ここ好きだな」「落ち着くな」っていう場所はありますか?

金森氏

特にここ、竹林公園は好きでよく来ます。小さい頃はトイプードルのたんぽぽという名前の犬を飼っていたんですが、近所の方から「たんぽぽくんのお兄ちゃん」って覚えられるくらい、1人で犬を連れて散歩していて。地域の方とも交流がありました。

市長

今日もかわいい賢そうなワンちゃんが一緒ですね。お名前は?

金森氏

ボーダーコリーの「快(かい)」といいます。今日は快くんとお揃いの色の服にしてみました。快くんと散歩に来るときは、竹林公園や落合川のあたりを回っています。

市長

散歩には最高ですね。川もあって、静かないい環境があって。

金森氏

竹林公園で、竹の葉の間を吹き抜けていく風の音を聞いたり、落ちている竹の葉が風で舞い上がるところを見るのが好きですね。「Origami」でも、そこから着想を得たのかなと思うシーンもあります。

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東久留米から世界へ

市長

「Origami」がなんと、日本の玄関口である成田空港で放映されているという話を聞きました。

金森氏

2月頭から成田空港の第1ターミナルにある大きなデジタルサイネージで流してもらっています。この「Origami」の作品と、その一つ前に作った「舞」という書道をテーマにした作品の2つが、日本文化をテーマにした映像作品ということで、海外の方に向けた文化発信としていいのではないかと、成田空港の方から声をかけていただいて。本当に嬉しいです。

市長

先方からアプローチがあったとはすごい。インバウンドで多くの海外の方がお見えになりますけれども、そういった方にも「日本に来た」と空港でも感じてもらえますよね。東久留米の方が日本の顔になるなんて、嬉しいなあ。これから1年くらい流れるんですよね?

金森氏

そうですね、さらに多くの方に見ていただけるので楽しみです。

[画像]画像 成田空港のデジタルサイネージ(71.6KB)

「欲しい」を言える環境の大切さ

市長

今、東久留米がもっと住みやすいまちになるにはどうしたらよいか考える際に、こどもたちに直接お話を聞いて、「どういうまちにしたいか」「どういうところを変えてほしいか」などを聞くようにしているんですよ。
例えばボール遊びができる広場なんですが、こどもたちから「整備されていない公園だとボール遊びが危ないと大人からすごく注意されてしまうので、作ってほしい」という意見があって。確かにそうだなと思って、就任後に1カ所、2カ所と増やして、7年度にもう1カ所増やす予定です。
この竹林公園も、実はこどもたちとのワークショップを経て、少し改良やマイナーチェンジをしていこうとか、こどもたちに話を聞きながら取り組んでいるんです。
金森さんも若い世代として、「東久留米、もっとこうなったらいいな」「こういうのがあればいいな」など、思いがあれば教えてほしいです。

金森氏

僕も小学校の近くの小さい広場でボール遊びをしていましたし、小学校の友達と自分で工作した紙のおもちゃを飛ばして遊んだりとか、いろんな思い出があります。その広場は僕が小学5年生ぐらいの時になくなってしまってすごく悲しかったので、ボール遊びができる公園作りも、ぜひこれからもやっていただいて、どんどん増えていったらいいなと思います。

市長

嬉しいですね。やっぱり地域に広場があると、こどもたちが自由な発想でいろいろ遊べたりしますもんね。

金森氏

僕はいろんなことを経験する中で「自分が欲しいものを欲しいってちゃんと言うこと」が大切だと思っていて。
例えば、高校3年生の時に映像作品を制作した時は自由学園の先生に撮影に協力をお願いしましたし、今回の学生アカデミー賞のことも、もともと日本では学生アカデミー賞の知名度がそんなに広くなくて、今回の日本の作品として初めて受賞するということをちゃんと広めたいと大学に相談したりしました。自分がしたいって思った時に、自分の近くにいる大人にそれを相談することが大切で、それを今までちゃんとやってきたのが良かったのかなってことを最近思ったりします。
僕はたんぽぽを散歩している時から常に近所の方と交流があって、小学1・2年生くらいの時から大人と話すことに抵抗がなかったんですよね。遊ぶ場所もそうですけれど、地域の方とか、大人の方と交流が常にある環境で育ったのが大きかったかなと思います。

市長

とても大事なことですね。大人との関係でいうと、縦が親とこども、横が同級生だとして、斜めの関係が大事だとよく言われていて。要は近所のおじさんとか、学校の先生も入るかもしれませんが、そういうところで悩みだったり、もちろんプラスのこともそうですが、共有できて頼れる、それって大事ですよね。これをやりたいと言った時に、それができるできないは別にして、「こういう風にやってみたら?」といったアドバイスが、保護者の方からだけではなく、いろんなところから来れば支えになりますね。

[画像]画像 対談時の写真3(227.7KB)

今後の展望について

市長

最後に、今後まだまだ飛躍されるであろう金森さんが、今後はどうなっていくのか、教えてほしいなと思います。

金森氏

僕は小さい時から、折り紙みたいに手で細かいものを作ることが好きだったので、職人タイプかと思っていたんですよね。でも「Origami」みたいに自分で作品を作って、それをいろんな人に楽しんでもらう経験をしてしまうと、やっぱりそれが楽しいと思うようになってきて。これから具体的にどうなっていくかはわからないですが、何か自分らしいものを作っていける道を模索していきたいなと思っています。折り紙や書道のような、日本の伝統工芸に惹かれる傾向があるので、日本の伝統文化と映像を組み合わせて表現を続けていけたらいいなと思います。

市長

映像制作で、世界を舞台に活躍したいんですね。

金森氏

学生アカデミー賞を受賞すると、本当のアカデミー賞にも応募できるんですが、応募できる資格が与えられた作品が今年度は88作品あって、「Origami」はその中のトップ15まで進んで、その後トップ5に入ればアカデミー賞にノミネートされていました。残念ながらそこまでは行かなかったんですが、非常に悔しい思いをしたので、これからも挑戦し続けたいと思います。

市長

レッドカーペットに金森さん、楽しみですね。期待しても大丈夫ですか?短編アニメーション部門ですかね。

金森氏

今回ノミネートされかけたのは短編アニメーション部門なのですが、将来は長編アニメーション作品にも関わってみたいですし、携わった作品がアカデミー賞にノミネートや受賞することを目指して、頑張っていきたいと思います。

市長

いちファンとしてこれからも応援したいと思います。私も負けないくらい市を良くしていけるよう頑張りますので、よろしくお願いします。

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